咲き誇れ、麗しい華。

眉間にシワを寄せて、肩をすくめている真子。

あっちもドアを開けようとしていたみたい。



「それ、返しに行くの?」

「うん。さっき読み終えたから。忘れないうちにと思って」



真子の視線が、左手に持った本に向いている。



「……ちょうだい。返しといてあげるよ」

「えっ、でも」

「いいから。あんたは教室で演舞の復習でもしてな」



数日前と同じく、また取り上げられてしまった。しかも今回は理由も説明せず強引に。


もしや……。


ピンときた私は、前回と同様、後をつけた。



「やっぱり……!」



図書室のドアの小窓を覗くと、本棚の近くで真子と鹿江先輩が楽しそうに話していた。


わかるよ。憧れの人と仲良くなりたいって気持ち。接点を作って少しでも距離を縮めたいよね。


でもさ……それなら、自分で借りた本を返したらどうかなぁ!? 私と好みのジャンル全然違うし!

読んだことがない本の話よりも、好きな本の話をしたほうが自分を知ってもらえると思うけどなぁ。