『侑希先輩へ。
半年間ありがとうございました。先輩と過ごせた時間は短かったですが、とても楽しかったです。
また仮装したり、お菓子食べたり、今度はお花見できるといいですね!
最後になりますが、今まで本当にありがとうございました。
勉強もサッカーも、何事にも真っ直ぐで、優しくて、でもちょっぴり照れ屋さんな侑希先輩が大好きです。
もし、先輩も同じ気持ちなら……次会った時、手をつないでくれますか?』
「ありがとう。そろそろ行こっか」
「……はい」
視線を戻したら、満足げに微笑む端正な顔が。
妹から卒業しても、先輩の目には永遠に可愛い後輩のままなんだな。
「記念日、どうしましょうか」
「んー、交際記念日とは別に、両想い記念日を作るのはどう?」
「いいですね! じゃあ今日は、交際兼手つなぎ記念日ってことで!」
「てんこ盛りだなー。それなら毎年春は盛大にお祝いしなくちゃね」
手をつなぎ直して広場を出る。
腹痛に襲われて保健室を訪れたあの日からずっと、全ては、偶然の重なりが引き起こしたものだと思っていた。
けど……本当は必然で、運命だったのかも。なんて。
中学に遊びに行く機会があったら、先生たちに報告しようかな。許可が取れたら小部屋にも寄らせてもらおう。
そよ風が吹いて、道路脇の桜から花びらが舞い落ちる。
お互いのスクールバッグでは、色違いのマカロンが仲睦まじげに揺れていた。
END



