咲き誇れ、麗しい華。

「お兄ちゃん」



真子の声がして目をやると、仲原一家が車の前で待機していた。

……時間が、来たみたい。



「あのっ、せんぱ──」



最後の挨拶をしようと口を開いたら、背中に先輩の手が回り、そっと抱き寄せられた。



「今まで、本当にありがとう」

「こちらこそ。ありがとう、ございました」



自分も背中に腕を回して抱きしめ返すと、名残惜しそうにゆっくりと体が離れて……。



「じゃ、元気でね」

「はい。先輩も、お元気で」



最後に頭をひと撫でして、家族の元へと戻っていった。

全員が車に乗り込み、エンジンがかかると……。



「じゃあな」

「ん。着いたら連絡ちょうだいね」

「また遊ぼうな! 真子ちゃんも!」

「はい。麗華、元気でね」

「うん。真子もね」