咲き誇れ、麗しい華。

「すみません、こんな時に……」

【大丈夫だよ。まだ買う前だったから。教えてくれてありがとね】



耳心地のよい低い声が響いて、頬がふにゃりと緩む。


あぁ、見える……。

スマホの向こう側で王子様スマイルを浮かべる侑希先輩の顔が……。


先輩も今月から全授業に復帰したから、まだ1回も会えてないんだよね。

延期になるのは非常に残念だし悔しいけど……1年に1度の特別な日は、元気な姿で会いたいから。



「回復したら、また連絡しますので」

【了解。お大事にね】



電話を切った途端、体力の限界を迎え、晩ご飯の時間が来るまで気絶したように眠ったのだった。







それから数日が経ち、ホワイトデー当日。

布団にくるまり、フリック操作でスマホのキーボードを打つ。



【クッキー、今さっきお兄ちゃんから受け取ったよ! ありがとう!】

【おー、良かった。具合はどんな感じ? 熱は下がった?】