咲き誇れ、麗しい華。

「あ、ごめん。起こした?」

「大丈夫。どうしたの……?」

「さっきクラスの女の子が、テスト届けにきたから持ってきた」



時計を見たら、午後4時を過ぎていた。マスク姿の兄から答案用紙を受け取る。


ん……? 何か貼ってある。



『映画、春休みに延期する? 愛美』



付箋に書かれた内容を読んで、ずーんと肩を落とす。


そうだった。明日、愛美ちゃんと2人で映画に行く約束してたんだった。

学校に来ない上に連絡もないなら不安になるよね。



「具合はどう? 熱は?」

「全然。今朝と0.1度しか変わってない」



私の額に兄の手のひらが触れる。



「まだ初日だからなー。薬もついさっき飲んだばかりだし。効いてくるのは明日以降になるかもな」

「……ドーナツパフェは、延期?」

「あー、そうだな。昼飯もあんま食べられてなかったみたいだし」

「どうしても……?」

「うん。気持ちはわかるけど……こっちとしても万全な状態で思いっきり食べてもらったほうが気分いいし。せっかく作っても隔離されたままなら寂しいだろうしさ」

「……わかった」