咲き誇れ、麗しい華。

受け取った途端、人が変わったように満面の笑みではしゃぎ始めた。


プレーン、ココア、抹茶、キャラメル、いちご。

5種類の味が楽しめる一口サイズのカップケーキ。


ラッピングはそれぞれの雰囲気に合わせて、凛華先輩には薄紫色のリボン、怜央先輩には黄緑色のリボンを選んだ。


侑希先輩には──。



「美味しそう。麗華ちゃんが作ったの?」

「はい。カップケーキは、お好きですか?」

「うん、大好き。ありがとう。ホワイトデーにお返し贈るね」



お菓子に負けないくらい甘い笑顔が返ってきて、安堵したと同時に胸がキュンと弾む。


ここだけの話。実は、侑希先輩のドーナツにだけ、キャラメルソースをトッピングしている。


というのも、キャラメルには、『一緒にいると安心する』って意味があるから。

カップケーキの、『あなたは特別』という意味も含めて、より特別感を出したくて。


ラッピングのリボンも、赤とピンクの2本を使った。