咲き誇れ、麗しい華。

「復帰したのなら、夏の大会には出る予定?」

「はい。でも転校するので、試合に参加できるかはわかりませんけど……」



年に数回しか連絡を取らないとはいえど、いきなり住所が変わっていたら驚くと思うので、前もって引っ越し先と時期を伝えた。



「詳しい住所は、暑中見舞いで知らせます」

「了解。毎年ありがとな」

「いえいえ。こちらこそ、いつもお返事ありがとうございます」



サッカーを教える傍ら、3児の父でもある監督。

仕事と子育てで忙しいはずなのに、返事は毎回手書きで、しかも可愛らしいイラストつき。


当時から秘かに感じてはいたけれど……やっぱりかっこいいな。

朗らかで、律儀で、思いやりがあって──。



「ん? どした? 何かあったか?」

「……あの、相談事が、あるんですけど」



そして、生徒の小さな異変にもすぐ気がつく、観察力の高さ。

中学に上がって少しは大人になれたかなと思っていたけれど、監督にはお見通しだったようだ。