咲き誇れ、麗しい華。

『ごめんね。一緒に登校しようって約束したのに……』



今にも泣き出しそうな顔で、何度も謝ってきた侑希先輩。


同じ町や隣町ならまだしも、県外。

散歩中や買い物中にバッタリ遭遇することも当然ないし、自転車で気軽に遊びに行ける距離でもない。



「やっ、なんで……っ」



視界が涙でにじんでいき、ズズッと鼻をすする。


確かに突然ではあった。

けど、明日いなくなるわけじゃないし、まだ3ヶ月近くも残ってる。


それこそ連絡先交換してるんだから、話そうと思えば電話で話せるし、顔が見たいならテレビ通話すればいい話。

ただちょっと、物理的な距離が遠くなるだけ。


永遠のお別れじゃないのに──。



「なんでよぉ……っ、いやだよぉ……っ」



ポタリポタリと、湯船に涙が落ちていく。

小学校時代、2人で遊びに行くほど仲の良かったクラスメイトが転校すると聞かされた時も泣いたけど、ここまで号泣はしなかった。



「行っちゃやだっ、寂しいっ、まだ一緒にいたいよ……っ」



ヒックヒックとしゃくり上げる声が浴室に響き、涙とともにわがままな胸の内が次から次へとあふれ出てくる。


あぁ……よりによってこのタイミングで気づくなんて。

こんなにも胸が苦しいのは、涙が止まらないのは。


私──いつの間にか、先輩のことを好きになってたんだ。