咲き誇れ、麗しい華。

ファイティングポーズを取る私よりも、はるかに図体の大きい男子たち。


バスケ部、野球部、陸上部。
陸上部の彼に関しては、前回決勝戦まで残ったツワモノ。

帰宅部の私が立ち向かっても歯が立たないけれど、この大会は拳1つで決まるところが最大の魅力だ。


各自、腕をひねったり手首を回したりと、気合を入れたところで、いざ勝負。



「よし、じゃあ行くぞ。最初はグー、じゃんけん……」

「「「「ポン!」」」」



前大会2位の彼の声に合わせて右手を出した。

パー、パー、パー。ということは……。



「ありがとう〜! 今回もいただきま〜す!」

「ぐあぁぁ、またかよぉぉ」

「チビ咲つえぇぇ」

「くそっ、1発目で負けるなんて……っ」



右手を広げたままうめき声を上げる敗北者たちにトドメを刺すようにピース。

よっしゃ! 初の一人勝ち!



風咲(かぜさき)さん、おめでとう。早く戻って飲みなさい。時間なくなるよ」

「はーい」