『あれ以来』という部分がチクリと胸を突き刺したものの、ほとんど交流していないという現状に一安心した。



【で? 用事ってこのこと?】

「あぁ……まぁ、そんなとこ」

【……先輩のことが好きなの?】

「ええっ!? 違うよ!」

【じゃあなんで聞いたの。電話なんて、今まで誕生日以外滅多にかけてこなかったじゃない】



純粋な問いかけに、再び声を詰まらせる。


やつあたりされてないか、心配だったから。

保健室のお兄さんに意地悪していたって聞いて、大丈夫かなって思って。

余計なお世話かもしれないけど、気になったの。


そう答えたいのに、電話の向こう側で険しい顔を浮かべていると想像すると、声が出てこない。



【……ま、あんたが誰を好きか、別にどうだっていいけど】

「ま、こっ……」

【邪魔だけはしないでよね】

「あっ、待っ……」



呼び止めようとするも、届かず。

久々の元親友との電話は、ぶっきらぼうに吐き捨てられて終わってしまった。