咲き誇れ、麗しい華。

モテるのも大変なんだな。美人も苦労があるんだな。

当時は他人事のように見ていたが、入学してわずか1ヶ月で状況は一変。

連休中に行われた練習試合を機に、今度は自分が凛華の立場になった。


登下校中は二度見され、教室にいる時も四方八方から視線を浴びて。

部活中は大勢のギャラリーがグラウンド脇に集まっていた。


連絡先を渡されたり、尋ねられることはなかったが、どこにいても注目の的。

常に気を張っている状態だったため、帰ると一気に脱力して。母が言うには、制服のまま玄関で寝ていた時もあったのだそう。



「ずっと人の目に晒されてたから、家以外ゆっくりできなくて」

「教室でお昼寝しようものなら、隠し撮りされそうですもんね」

「そうそう。だから仮眠したい時はトイレの個室に逃げ込んでた」



1学期は夏の暑さも相まってぐったりしていたが、2学期に入ると、気温の低下とともに徐々にほとぼりも冷めていき……。

通りすがりに『かっこいい』と呟かれることはあったものの、連日のように噂されることはなくなった。