咲き誇れ、麗しい華。

チラッと横に目を向け、真剣な眼差しで動画を観ている彼を盗み見する。


今年は練習に参加できなかったから、先生の中に交じって隅っこで見学した。


小部屋登校をいつ卒業できるかはわからない。

仮に卒業できても、兄の友人みたいに、学校に足を運べなくなる未来だってあるかもしれない。


でももし、教室登校に戻れたら……感極まって涙しちゃうような、心に響く歌声を聴かせたいな。



「──じゃ、また掃除時間に」

「バイバーイ」



昼休み終了5分前のチャイムが鳴ったのを合図に、動画鑑賞会が終了した。



「途中で止めちゃったけど、他のクラスのも観る?」

「はいっ。お願いします」



教室組が退室しても、席はそのまま。再生ボタンが押され、身を寄せ合って続きを観る。



「お兄さんの時も、同じ課題曲だった?」

「はい。卒業する時に、1年生から3年生までの曲が入ったCDをもらったみたいなんですけど、聴いたら全学年同じでした」