咲き誇れ、麗しい華。

真子は靴ひもを結ぶと、目を丸くする私に耳打ちした。


入学してもうすぐ半年。

言われてみれば、「あの子かっこいいよね!」とかの話、聞いたことないな。


クラスメイトはもちろん、他のクラスの人とも交流してるし。もし噂になってるなら小耳に挟むはずだもんね。



「なんかその言い方、学校側が隠してるみたいに聞こえるんだけど……まさかお化けじゃないよね?」

「ちょっ、何言ってんのよ! お化けなら物に触れないでしょ!? 勝手なこと言わないでよ!」

「ごめん! 冗談だって! そんなに怒んないでよぉぉ。お腹に響くってぇぇ」



張り上げる声が耳元でキーンと響いた。


幽霊でないのなら、生きている人間。今もなお、ここに通っている生徒だということ。


一体彼は誰だったんだろう。先輩? それとも同級生?

明日、湯たんぽを返す時に、先生にこっそり聞いてみようかな。