咲き誇れ、麗しい華。

お腹が空いてくる4時間目。

家から持参した小説を読んでいると、侑希先輩に申し訳なさそうに尋ねられた。


彼の手元には、教科書とルーズリーフ、赤いペンケースと、ゴールドの電子辞書。

……なるほど。電池切れか。



「辞書はないですけど、スマホならあります。良かったら使います?」

「ええっ。いいの?」

「はい。昨日の夜に充電したばかりなので、思う存分調べちゃってどうぞ!」



スクールバッグからスマホを取り出し、ロックを解除して渡した。


1時間目は社会、2時間目は理科、3時間目は数学。そして、4時間目の今は国語をお勉強中。

休み時間のたびに時間割表を見てたから、実際の授業と同じ教科なのだろう。



「ありがとう。助かりました」

「いえいえ。いつもこんなふうに勉強してるんですか?」

「うん。独学だと限界があるからさ。毎日持ってきてるんだ。今日は電池換えるの忘れちゃったから使わなかったけど」