咲き誇れ、麗しい華。

「湯たんぽ? 誰に」

「保健室のお兄さんに。ベッドでうなされてたら貸してくれたの」



階段を下りる途中、借りっぱなしの湯たんぽの存在を思い出した。

保健室の物かお兄さんの物かはわからないけど、早く返さないと。まだ治ってないからって、勝手に持ち帰るのはダメだ。



「今から行くの? もう学校終わってるし、閉まってると思うけど」



……確かに。みんな帰ってるもんな。



「明日、朝イチで返せばいいんじゃない? まだ万全じゃないんだし。理由言えばわかってくれるよ」

「そう、だね」



真子の言う通り、無理をすると次の日に支障が出るかもしれない。

さりげない心遣いにこっそり感謝したところで、昇降口に到着した。



「ってか、お兄さんって誰。どんな人?」

「おっ、気になる? すっごくイケメンさんだったよ」



靴を履かせてもらいながら、保健室で出会った彼の特徴を話す。



「爽やかな美人さんで、笑顔が優しくて、少女漫画に出てくるヒーローみたいな人だった」

「へぇ……」