咲き誇れ、麗しい華。

渡してきたのは、小さなペットボトル。

温かい……湯たんぽだ。



「いえいえ。もし授業休むなら、先生に伝えておきますけど……」

「大丈夫ですっ。もう少ししたら戻るので」



気遣いはありがたい。けど、見ず知らずの人にこれ以上迷惑はかけられない。



「わかりました。僕、隣の部屋にいるので、何かあったら呼んでくださいね」



「お大事に」と会釈して出ていった彼。奥のドアが閉まるのを確認して、ベッドに横たわる。


……爽やかで綺麗なお兄さんだったな。

芸能人にあまり興味を持たない私でさえも、見惚れそうになるくらい整ってた。

例えるなら、少女漫画から出てきた王子様。


タオルケットをめくって湯たんぽを当てる。


あぁ〜、ジワジワくる。少し楽になったかも。


……そういえば、隣の部屋にいるって言ってたっけ。

たけど、あそこは通路のはず……。人が過ごせるスペースがあるのかな?