咲き誇れ、麗しい華。

残暑が厳しい9月。今日も我が1年3組の教室は騒がしい。



「牛乳飲みたい人ーっ」



空になった食器をかごに戻していると、教卓の横で男子生徒が余った牛乳パックを掲げた。



「はーい」

「あっ、俺も飲みたい」

「はいはいはーい! 私もー!」



教室のあちこちから上がる声。負けじと大きな声で返事をし、食器を片づけて前へ。



「うっわ、またチビ咲だ」

「お前、ちっこいくせにどんだけ飲み意地張ってんだよ」

「うるさいなぁ! お互い様でしょ!?」



もう、またチビ扱いして。そっちだって毎回参加してるじゃん。

ブツブツと文句を垂れる彼らを睨みつける。



「こないだと同じメンバーか。今日こそは勝ってやる」

「俺だって。ぜってー負けねーからな。特にチビ咲には絶対!」

「ふっふっふ、どこからでもかかってきな!」

「生意気なやつめ。これ以上お前にカルシウムは渡さねぇ!」