ケーキも食べ終えて手持ちぶさたになったわたしたちは、「ゲームでもするか?」という晴樹の言葉で二人で対戦できるゲームをし始める。

 これはこれで楽しいんだけど、恋人同士のお家デートってこれで良いんだっけ?って思ってしまう。

 でもよく考えたら何をするのかとか特に考えてなかったし、普通はどんなことをしているのかとか調べて来なかった。


 結果、とりあえずゲームを続けることしか出来なかったんだ。

***

「あーまた負けた!」

 仕方なく始めたゲームだけど、遊んでいるうちにそれなりに白熱してくる。
 でもわたしは負けてばかり。

 流石にウンザリしてきてコントローラーを放り投げるように置いた。


「だいたいいつも遊んでる晴樹にたまにしかゲームしないわたしが勝てるわけがないじゃない。手加減してよー」

「いや、最後の方は結構手加減してたんだけど……。普通に美穂がゲーム弱いだけだろ?」

「えー?」

 晴樹の言葉を不満に思ったわたしは、子供っぽいかなと思いながらもつい唇を尖らせる。


「……っふ」

 するとそんなわたしの表情を見て晴樹は軽く拭き出すように笑った。

「笑わないでよ。……どうせ子供っぽいとか思ってるんでしょ?」

 わたしはふてくされたままそう言ったけれど、晴樹は「いいや?」と否定して身を寄せてきた。