その声はいつまでも聞いていたくなる声だった。


「そうなんだよ。しかも5枚一組で購入できる人にしか売らないって書いてあったんだ。俺たちちょうど5人で、ピッタシだと思ってすぐに買った」


カズトモはそう言うと、全員からチケットの半券を回収した。


今日の記念のために取っておくそうだ。


この4人、プラス私は勇山中学校の2年生。


仲良し5人組だ。


みんな同じ暮らすで、夏休み中にどこか行こうと計画をしていた。


どうせなら新しくできた遊園地に行きたいと思っていたが、全然チケットが取れなくて諦めていたのだ。


そんなときにカズトモからチケットが取れたと連絡が入り、こうして全員でここへ来ることができた。


私は自分の手の甲へ視線を落とした。


そこには先程入場ゲートをくぐったときに押された赤いスタンプがあった。


この遊園地のイメージキャラクターのうさぎの絵が押されたのだ。


「これって私達だけに押されてたよね?」


私はついさっきの出来事を思い出しながら言った。