背伸びをしてカズトモと視線を遭わせる。


その時、一瞬だけれどカズトモの視線がこちらへ向いた気がした。


ハッと息を飲んで「カズトモ!」と、更に声をかける。


カズトモの表情が少しだけ変化してみえた。


まるでなにか強い力に抗うかのように、ジリジリと視線がこちらへ向き始める。


やった!


反応してくれた!


「カズトモ、私だよ! セイラだよ!」


飛び跳ねて自分の存在をアピールする。


するとカズトモはしっかりと私に視線を合わせてくれたのだ。


「カズトモ、私のことがわかる?」


その質問には首を縦に振って答えてくれた。


よかった!!