【短編】赤い瞳に囚われて

 もどかしいくらいの優しいキスは、少しずつ深くなっていく。

 しっかりと重なり合うキスをすると一度離れたリヒトは、妖艶に微笑み「甘いな」と感想を漏らした。


 ただでさえドキドキと鼓動が早いのに、そんな顔でそんな言葉を口にされたら胸が痛いほどに高鳴ってしまう。


 どうしてこんなにキレイな人がわたしを選んでくれたんだろう?


 はじめは黒髪が綺麗だなって言われた。

 そうして触れられて、精気が好みの味だって言われて……。

 何度か触れているうちにわたしが彼を好きになるのは当然だった。


 リヒトの方は、自分のコンプレックスであった金の髪を綺麗だと――闇夜に浮かぶ月のようだと言ってもらえてからどんどんわたしを好きになったと言っていたけれど……。

 でも、やっぱり不思議だなぁって思ってしまう。


 こんなに素敵な人がわたしの恋人なんて。

 でもそれをリヒトに言うと。

「なら、俺がどれだけお前を好きなのかじっくり教え込んでやろうか?」

 と気絶しそうなほど甘く攻め立てられて困るから口には出さない。


 でも、わたしの視線で感じ取ってしまったんだろうか?

 リヒトは意地悪そうに口角を上げて口を開く。