「もしもし」

【……誰、アンタ】

「三年生の佐伯千星です、はじめまして鷹司クン」

【なんでアンタが電話に出てるんすか?俺は真白にかけたんですけど】


あからさまに怒ってる声でそう言う鷹司。


「いま、真白ちゃんの家にいるんだよ」

【……は?】


その時だった。


ガチャンッ


「先輩!戻りました、次お風呂どうぞ」

「あ、ありがとう。じゃあ電話変わるね」

「え?」


真白ちゃんは可愛らしくどう言うことか分からない顔をして、スマホを受け取った。





その後、風呂に入り終えた僕は再び真白ちゃんの元へ戻る。


「真白ちゃん」

「先輩。おかえりなさい」


にっこりと花が咲いたような可愛らしい表情でそう言ってくれた真白ちゃん。

っ……率直に言って天使だ。


「ただいま」


けれど、ここで取り乱してはだめ。

真白ちゃんに好きになってもらうために、僕は“完璧な王子様”でありたい。


「服、大丈夫ですか?」

「あ、うん。真冬くんはサイズ大きいんだね」


ズボンもパーカーも、少し小さいけれどちょうどいい。


「あはは……そうなんです。真冬は背がとっても高くて」

「そうだね」


真冬くんを最後に見た時はあれほど小さかったのに……いまじゃ、真白ちゃんを上回っていた。


「じゃあ、勉強再会しようか」