むずむずする………背中が。

嫌だ……。

私は喉から声が出ない。


夜だから?


真っ暗な教室で寝ているから?


小鳥遊さんの声が嫌だから?

……答えはどれも。


もう…無理……!

助けて…!!
私は上を向く。

上は七星が寝るベッド。

七星を見ても……だめだよね……。


「ねえ。俺と小春ちゃんが抱きしめて寝て、朝になったら、みんなどんな顔するだろうね?」

私の耳から聞こえる小鳥遊さんの声。


嫌だ……。耳塞ぎたい……。



「直……仁……。」
私はつい無意識に小声で皇帝の名前を呼ぶ。

3年C組の教室に響いた小さな私の声。


あぁ……漫画なんてことって無いか。
そして、後悔する。

私って弱虫だなー……。

寝れるよね?
なぜか、私は寝れる確信を持っていた。

朝になって、大騒ぎになっても、小鳥遊さんの彼女になればいいし。


もう。

いいや。

目を瞑ろうとした時。