「さぁ!早く行こう!さーちゃん。…弁当持ってきた?」

夜ご飯用の。
私がそう言って、さーちゃんの顔を見たら、

「……わ、忘れてたぁああ!!!」
ムンクの叫びのような顔になっていた。


まーーた、弁当忘れたんだ……。

「と言うと思いまして、持ってきたから。弁当。」

「ありがとう!!!」
さーちゃんは言いながら、私を抱きしめる。

「はいはい。体育館行こう?」

「うん!」
さーちゃんはコクっと頷く。



「俺もな。」



私の背中の後ろから声がした。
だから、顔を上に向けると……。



「こ、皇帝……!」


「皇帝じゃなくて、直仁って呼んで?」
また、甘くて、イケボな声。


私の頭がくらくらする。
なんでだろう?

そんな疑問は置いておいて。

「いやです!!!」

「ほら、直仁、嫌がってんだから。」

「七星!」
私は七星の顔を見る。


「俺が小春を守るから。」

七星はそう言いながら、私の腕を掴んで、七星の隣に行く。

ちょっ……!!


「はぁ?お前は守らなくていい。俺が守るから。」
皇帝はそう言いながら、私の腰を皇帝の手にあて、私を引っ張る。

「ちょっ……!」

「俺のだから。」

「あ゛?俺のだから。」
七星はドス黒い顔をしながら言う。

は、初めて見た……。
七星の顔……。


「って……早く行くよ!!…皇帝離して!七星とさーちゃんは行ってて!」

そう私は言ったら、さーちゃんと七星は体育館に向かっていた。


けど……。

まだ?!

「皇帝…!腰…!離して!!」




「嫌だ。」