現代版の皇帝は卒業前に甘える。




「……早く。」
皇帝がまだ、私の耳から声を発す。


「な……お…仁……。」


「んー。聞こえない。」

「が、学校でやることじゃないでしょ!!」

「んー。まだ。1時間目が始まるチャイムが鳴る時間じゃない。…だから呼んで?」

「ど、どうしたの?こんな皇帝が優しくなって。」

「皇帝じゃなくて…直仁。」


「無理!無理!」



早く…チャイムなれえええーーーー!!!




もう…無理…!

私はそう言ったとき、ラッキーなことが起こった……。




のか?





「やめなよ。直仁。」



私はその声が聞こえている方に向いて見ると。


「七星!?」
七星だった。



「チッ。何、邪魔してんだよ。」



「邪魔って言っても、俺、小春の前の席になったから。」




えっ?


卒業まで、3週間。




私の身ではないけど、大変に嫌なことが起こりそうです。