現代版の皇帝は卒業前に甘える。


「意識…した?」


と言った。

まさに、イケボと言えるだろう。
私はそう捉えた。



「キス…していい?」



……っ!!!

私は目を開いて、皇帝の顔見る。


「もっと甘えことしてえな……。」
まだ、私の耳から皇帝の声が響く。



まだ…終わらないの……?

早く…チャイムが鳴って欲しい……!

私はそう思いながら、心臓の音が聞こえる。
なのに……。


「お前…小春。意識した?」
皇帝の声だけは私の耳に響く。

「してない!!皇帝じゃなくて、七星だもん!」
私は小声で皇帝に言う。



「えー。じゃあなんで。俺のこと見てないの?」




「……っ!」


「あれ?何?図星?」


「……っ。ず、図星です……。」

「よく言えました。」

「あ、あのさ…皇帝……。早く…「直仁。」


へっ?

つい私は変な声が出る。



「直仁って呼んで。」
そう皇帝は言いながら、私の眼鏡を外す。

ちょっ……!!


眼鏡外すと……!!

というか、直仁と呼べと!?

はぁあ!!!?



私はもう皇帝しか見えてなかったが、皇帝と私を見ている、クラスの人たちは………。