現代版の皇帝は卒業前に甘える。


「告白ができると?」

この学校名物の愛の告白。
中学2年生以上が、愛の告白ができる。


「そう!そう!!」
と言いながら、さーちゃんは大きく首を振る。


「…んで、それで、告白をやれと?」

2年生の頃も…、さーちゃん、興奮しながら、説明してくれたっけ?

本当…私…忘れてるわ。

「そう!そう!!」
また、さーちゃんは大きく縦に首を振る。



「おい。有彩どけ。」


待って…無理!無理!!

聞いたことがある声!
もうわかります!!

皇帝だから!!

上……向けない!!


バクバクっ。

無理ですーー!!
私の顔が赤くなり、視界が狭くなる。

そして、私の心臓の音は耳にまで聞こえる。

心臓が緊・急・事・態!


「えー。いやです!!」
さーちゃんは皇帝に威嚇する。

もう私は下を向いていたので、それに気づいていない。

「おい。小春。どした?」
私に聞いたことがない、爽やかな声。

「えっ?」
私は皇帝が心配していることにびっくりして、上を向いてしまう。


「向いた。」
にやあと笑う皇帝。

「えっ?直仁…どした?」
さーちゃんが口をポカンと開けている。


「あ゛?有彩は口を挟むな。」

「ごめんなさい。…じゃあ。私は自分の席に座ります。」
さーちゃんは走って、自分の席に着く。


そのときにさーちゃんは、「あとは任せた!健闘を祈る!グッドラック!」と言いながら、親指をgoodの形にしていた。


けど、私には、「皇帝の怒りを収めて!」って言っている様に見えたけど。


……やりますか。


…ってならない!!

無理!顔見れない!皇帝の顔を見ると……。


顔のところらへんにキラキラした形が見えない!?

なんで?!
私はびっくりしながら、目を擦る。

「ん?どした?小春。」
そう皇帝は心配する。


「……っ。」
私は顔を真っ赤にする。

「ん?」
そう言いながら、私の顔を見る。



「んー。熱あるかなー……?」
私が意識していることを分かったのか、私の視界が皇帝の顔が独占していた。

私は皇帝の顔に見惚れていたが、皇帝は私の耳に………。