はぁ〜〜〜〜。
私は深いため息をつく。

なんでだろうね?
なんで、私は皇帝に好かれてんだろう?


「おい。」


まぁーーね。幼馴染だから?

えーーー。でも違くない?
だって、私は超絶美少女ってわけでもないし。

まぁ。現実にこの顔がいるって、不思議だよ。
同じ世界に住んでいるなんてねー。


「おい。無視すんな。」



本当。皇帝は、芸能人なった方がいいと思うし。

うん!うん!

歌もうまいし。
さっきも言ったけど…、文武両道だし。

……怖い。
漫画みたいな王子様がここにいていいのか?


「…小春呼んでんだけど?な゛?」


うっ……!

怖いってばー!
そんなことを言えない私です。
喉から声が出ません。


「こーーはーーーる?」

「はいはい!ごめんなさいーーー!!」

私は振り向くと、私の座る席の隣に皇帝は座っていた。

「…で、なんで呼び出したの?」

「注意だけだ。小春絶対眼鏡、外すなよ?」

「注意だけだったんだ。わかりましたよーだー!」


そう私は言ったけど…ちょっと眼鏡外してみるか。


よし。やってしまおう。
私はちょっと口角が上がってしまう。

私は眼鏡を外して、眼鏡を机に置く。
「おい。あの地味子が……!」
「直仁様と同じくらいの美貌…よ!!」

「やばい……。私、気絶しそう!!」

なんて聞こえているが、私は……。


んーと。見えない……。
誰が、どうなってんの?

や、やばい……見えん。
と後悔してしまう。


隣に皇帝がいることは……。
私は席についている皇帝を近くで見る。

「んーと。皇帝?」


分かる?


「おい。小春。早く眼鏡かけろ。…っ。」

可愛すぎだろ。
そう小さく呟きながら、顔を赤らめる皇帝。

「えー。」
私はガッカリした顔で、ぼやけた皇帝を見る。

「小春。かけろ。」

「えー。」

私はまたガッカリする。

「あっ。あそこに。七星が。」

…えっ?
「嘘っ!!」

私は眼鏡をすぐさま、机から取って、窓を見る。

ほ、本当だ……!!

「七星〜〜!!」

私は2階の窓から、そう呼ぶと、七星は、

「おー!小春!」

とニコッと笑ってくれる。

……っ!
や、やっぱり……か、かっこいい……。

もうこの顔が見れるのが、1ヶ月もないんだ……。



そう。私が好きなのは同じクラスの輝川七星(きかわななせ)。

また、皇帝と同じように、綺麗な整った顔で、皇帝と同じ身長で、文武両道。

この世界に綺麗な顔で文武両道な人が2人もいるなんてねーーー!!

髪型はパーマで、アフロではない。茶色みたいな髪色でツヤツヤ。

そして、私と皇帝と同じ小学校。


皇帝と七星はなんか、ライバルみたいな関係?

すごくカッコよくて、私も、中学校の時に惚れた。
というか、七星に恋をしてしまった。


「好きって伝えたい……な……。」
そう私は独り言で呟く。


「ほーほーう?小春は、やっぱり、七星の方が好きなんだ?」

!?

聞いたことある、女の子の声。

「なっ………き、き、きき聞いてたの!?」

「うん。聞いてた。」

こくっと頷く、さーちゃん。


さーちゃんこと古都田有彩(ことだありさ)ちゃん。
めちゃくちゃカッコよくて、ショートヘアの女の子。私と皇帝と七星と同じ幼馴染。


「聞いてたも何も。本当、小春は七星が好きなんだね?」

「……っ!好き…だよ?」

「……っ!!可ーーー愛ーーいーーい!!」

「へっ!?」

「もう!私は小春を嫁に渡したくない!」
そうさーちゃんは言いながら、私を抱きしめる。

「なんで、さーちゃんが私のお父さんになるの?」
私は笑いながら、さーちゃんを見る。

「いいじゃーーん!」
ぷくーっと頬を膨らますさーちゃん。

「まぁ。まぁ。私の独り言でも言ったけど、卒業だね…!」

「うん……だけど…!嫌だよーー!!小春と別れるのがーー!!」

そうだった。
さーちゃんと……って。

「同じじゃん。私と。この学園の高等部に通うんだから。」

「ちぇ。騙されなかったか。」

「騙されねえわ!」
私は芸人のツッコミみたいにさーちゃんをツッコむ。

そうツッコんだところで……!