今お仕えしているクフォード殿下はそうでもないが。 長年メイドとしてやってきて、傲慢な態度の貴族を腐るほど見てきた。 その中でも、目の前にいるルージュ様はとても不思議な方だった。 どこか儚く、今にも消えてしまいそうな空気を纏っている。 かと思えば、得体のしれない力強さを秘めてもいる。 そして…、メイドになりたての頃に 一瞬だけお見かけしたあの方に似ている気がしてしまう。