白の姫に差し伸べられた、光と闇の手



來樺院獅紋は突然席を立って、尋ねる私に視線を向けず答えた。




「騒ぎが起こっているところだ」


「いってらっしゃ~い、って言いたいところだけど、今日は近くで見学しようかな。瑠璃(るり)ちゃんも興味あるなら一緒に行こ?」


「……うん」


「瑠璃さまが行かれるのなら、わたしも……」


「胡桃はここで待ってて。先に食べてていいから」




話を振ってきた翠笑と一緒に立ち上がり、胡桃を制止して、私達は來樺院獅紋の後を追う。

一般区域の方で起こった騒ぎの何が、來樺院獅紋の興味を引いたのか。


ざわつく食堂、問題の場所から距離を取って野次馬する生徒達。

人混みを割って現場に乱入した來樺院獅紋は、鋭い視線を中心人物達に向けた。




「これは何の騒ぎですか、先輩方」