ひなちゃんは、僕の天使だった。

幼い頃から、ずーっとずーっと。


……僕の親は元々ちょっとだけ、厳しかった。


だから、全部一番じゃないといけない。


それができなかったら、ただの不良品。


そんな絶望的な僕の世界に、キミが現れた。



……思い出せない。


ひなちゃんが大好きなのはわかってるのに、思い出せないんだ。



……2日後。


「……ひーなくん!」

「……わっ……ひなちゃん……!」


目覚めた瞬間、ひなちゃんが目の前で可愛い笑顔を浮かべていた。


……辛い。


思い出したくないんだ。


これ以上キミに溺れてしまったらと思うと身体が怖気付く。


「……ひなくん、また悲しそうな顔してどうしたの?」