「────久しぶりだね。元気だった?」 「はい……お久しぶりです」 須川湊士郎(すがわ そうしろう)。 高校二年生。 新年が明けて二週間。 授業が再開し、正月気分もだいぶ薄れてきた、風が冷たい土曜日の昼下がり。 『素敵な名前をありがとう』 『また会おうね』 友と待ち合わせしていた駅前の広場で、 中学時代の初恋相手と再会しました。