その時にジャネットの表情も確認したが、人々が怒りに染まっている中、彼女の口元だけは微笑んでいた。
(やっぱり、ジャネット様の仕業なの?)
半ば信じられないままベランダに出ると、エリオットと彼の聖獣である白フクロウのホワイティ、そしてドルフがいた。
「ドルフ!」
「ローランドが僕を置いて姉上のもとに向かうなんて、通常ならあり得ないですから、なにかがおかしいと思ったんです。ほかの貴族も妙に興奮していましたしね。だから、ホワイティに頼んで、ドルフを呼んできてもらったのです」
さすがは聖獣の加護を持つ弟である。使い時も使い方も間違えない。
『とりあえず時は止めておいたが、なにが起こったんだ?』
「わからん。急に皆がフィオナや俺を責め立て始めたんだ」
ドルフの問いに、オスニエルが答えると、ホワイティが不愉快そうに口をはさんだ。
『このにおい、なんなの? みんながイライラしているの、これのせいよ』
たしかに、フィオナもこの香りを嗅ぐと、胸がざわついた。今は多くの女性がこの香水をつけているからか、効果も増幅している気がする。
『この香りになにかあるみたいだな。とにかく、時間を少し戻すぞ。糾弾が始まる前にだ。戻ったらすぐに、香りを風で飛ばしたほうがいい』
「ホワイティ、お願いできるかい?」
エリオットのお願いに、ホワイティは当然とばかりに頷く。
ドルフが白っぽい光に包まれて、今動いている数人を除いて、十分ほど時間を戻した。同時に、ホワイティが翼を大きく羽ばたかせた。強い風が室内に吹き荒れ、みんな、頭や顔を抑えてうずくまる。
(やっぱり、ジャネット様の仕業なの?)
半ば信じられないままベランダに出ると、エリオットと彼の聖獣である白フクロウのホワイティ、そしてドルフがいた。
「ドルフ!」
「ローランドが僕を置いて姉上のもとに向かうなんて、通常ならあり得ないですから、なにかがおかしいと思ったんです。ほかの貴族も妙に興奮していましたしね。だから、ホワイティに頼んで、ドルフを呼んできてもらったのです」
さすがは聖獣の加護を持つ弟である。使い時も使い方も間違えない。
『とりあえず時は止めておいたが、なにが起こったんだ?』
「わからん。急に皆がフィオナや俺を責め立て始めたんだ」
ドルフの問いに、オスニエルが答えると、ホワイティが不愉快そうに口をはさんだ。
『このにおい、なんなの? みんながイライラしているの、これのせいよ』
たしかに、フィオナもこの香りを嗅ぐと、胸がざわついた。今は多くの女性がこの香水をつけているからか、効果も増幅している気がする。
『この香りになにかあるみたいだな。とにかく、時間を少し戻すぞ。糾弾が始まる前にだ。戻ったらすぐに、香りを風で飛ばしたほうがいい』
「ホワイティ、お願いできるかい?」
エリオットのお願いに、ホワイティは当然とばかりに頷く。
ドルフが白っぽい光に包まれて、今動いている数人を除いて、十分ほど時間を戻した。同時に、ホワイティが翼を大きく羽ばたかせた。強い風が室内に吹き荒れ、みんな、頭や顔を抑えてうずくまる。



