その日はエリオットを歓迎し、フィオナと子供たちは、彼らとともに夕食を取った。
「おじたま?」
「おー?」
双子はエリオットに手を差し出され、不思議そうな顔をする。オリバーは警戒心をあらわにしているが、アイラの方は、うしろで微笑みをたたえるローランドを見て、一目で気に入ったようだ。
「おーじさま」
「違うわよ、アイラ。王子様はエリオットの方。ローランドは騎士」
「ろーらんど……」
名前もしっかり覚え、両手をピシッと伸ばす。
「ろーらんど、抱っこ」
「アイラ!」
「いいのですよ、フィオナ様。光栄です、姫君」
ローランドは、整った優しげな顔にさらにとろけるような笑みを乗せ、腕にアイラを抱き上げる。
「きゃー」
大喜びするアイラは、小さくても乙女だ。キラキラした王子様のような風貌のローランドが気に入るところを見れば、正統派な好みをしているのだろう。
「かわいらしいですね。フィオナ様の子供の頃のようです」
「その時はあなたも子供だったじゃないの」
「でも覚えていますよ。俺に抱っこをねだったときもありました」
そんなこと、フィオナは覚えていない。過去を知る人間と話すのは楽しいけれど、余計な思い出話は勘弁してほしい。
「あー」
抱っこされるアイラがうらやましくなったのか、オリバーが手を伸ばしているのに気づいて、フィオナは腕に抱き上げる。
その日の夕食はなごやかに進み、フィオナも、久しぶりの故郷の話を楽しんだ。
「おじたま?」
「おー?」
双子はエリオットに手を差し出され、不思議そうな顔をする。オリバーは警戒心をあらわにしているが、アイラの方は、うしろで微笑みをたたえるローランドを見て、一目で気に入ったようだ。
「おーじさま」
「違うわよ、アイラ。王子様はエリオットの方。ローランドは騎士」
「ろーらんど……」
名前もしっかり覚え、両手をピシッと伸ばす。
「ろーらんど、抱っこ」
「アイラ!」
「いいのですよ、フィオナ様。光栄です、姫君」
ローランドは、整った優しげな顔にさらにとろけるような笑みを乗せ、腕にアイラを抱き上げる。
「きゃー」
大喜びするアイラは、小さくても乙女だ。キラキラした王子様のような風貌のローランドが気に入るところを見れば、正統派な好みをしているのだろう。
「かわいらしいですね。フィオナ様の子供の頃のようです」
「その時はあなたも子供だったじゃないの」
「でも覚えていますよ。俺に抱っこをねだったときもありました」
そんなこと、フィオナは覚えていない。過去を知る人間と話すのは楽しいけれど、余計な思い出話は勘弁してほしい。
「あー」
抱っこされるアイラがうらやましくなったのか、オリバーが手を伸ばしているのに気づいて、フィオナは腕に抱き上げる。
その日の夕食はなごやかに進み、フィオナも、久しぶりの故郷の話を楽しんだ。



