#青春リクエスション

相も変わらずレンタル暁会長は盛り上がりを見せていた。

#青春リクエスションに続き、#暁会長付き合ってくださいタグまで拡散されSpeaksの登録者数も過去最高438人を記録していた。

「あ、今また増えました!439人です!」

いつもは馬渕先輩がチェックしているタブレットを今日は凛空ちゃんが見てる。今日も馬渕先輩はSpeaksアップデートのため、生徒会には来ていなかった。生徒会っていうか、ほぼ暇だから集まってるみたいなとこあるし。

「いや~、いい感じだな~!目指せ全校生徒♡も夢じゃないかも!」

ふふんっとご満悦に鼻歌を口ずさんでる、それを見て花絵先輩と同じ顔をしてしまった。

やばい、表情筋迷子になる。

両手で頬を上げ、無理矢理表情を作ってみた。

「由夢、何してんの?」

「…リフトアップ?」

「まだ早くない?」


—コンコンッ


2回ドアがノックされた。

生徒会室に用なんて珍しい、そう思いながらドアを開けると女の子が2人立っていた。

上靴を見る限り、たぶん…私と同じ2年生。

「あの…、暁会長いますか?」

「いますか?」

「………。」

この嫌な予感に女の子たちと目を合わせてパチクリする私の後ろからひょこっと暁先輩が出て来た。

「俺に何か用?」

「暁会長っ!」

キャーという黄色い声が漏れる中、2人が声を合わせた。

「「暁会長、付き合ってください!!」」

「いいよ、どこに行くの?」

にこりと微笑んで…もうそれ何回目!
普通の人でもそんだけ告白されたら気付くから!
何度その笑顔を振りまくの…っ!?

「蕪木先生のところに行きたいんですけど、一緒に行ってもらえますか?」

「ますか?」

「今の時間なら職員室にいると思うから…いいよ、今から行こうか」

そのままドアは閉められ、暁先輩は行ってしまった。
…こっから職員室って結構遠いし。

「………。」

「あ、また増えましたよ!440人です!」

スンッとした気持ちでずっとタブレットを見ている凛空ちゃんの隣に戻った。花絵先輩は諦めた表情で生徒会誌を書いていた。

「暁先輩どうしても人増やしたいんだね」

「目指させ全校生徒ってさっき言ってたしな」

「増やしてどうするんだろう。何がしたいのかな…」

「ただ自分が楽しいだけよ」

長い髪を耳にかけた花絵先輩が淡々とした口調で生徒会誌を書きながら答えた。スパッと吐き捨てるように、それを聞いて凛空ちゃんと何も言えなかった。