#青春リクエスション

拍手喝采で終わった新入生歓迎はどこの部活紹介よりも生徒会が1番印象に残る形となり、青リクとしても大成功を納め激減した登録者数もあっという間に得ることが出来た。
高校生活を少し彩るどころか、ガンガンに輝かせちゃったんじゃないかってぐらい今年の新入生が羨ましく思った。

「凛空ちゃん、今日は生徒会休みだって!」

「あ、マジ?」

「片付けが終わったらそのまま解散だってさ。その代わり明日の朝集まるって!」

ゴミ捨てから帰って来た凛空ちゃんに廊下で呼び掛ける。ちょうど片付けの終わった体育館から戻って来るところだった。そのまま一緒に教室まで戻った。

「あの桜吹雪すごかったね、凛空ちゃんと花絵先輩がやってたんでしょ?」

「あれな!めっちゃくちゃ緊張したから!ドアが開いた瞬間花びらが入ってくなんて、言うのは簡単だけどあんな無理なことよくさらーっとやろうなんて言えたよな!」

あとからあの仕組みを聞いたら、あらかじめ集めておいた桜の花びらを風の勢いのままに流し込んだってことらしい。ドアが開いたらゴミ袋いっぱいに詰めていた花びらを開放するようにその場にドバァっと…、聞く限りじゃかなり無謀ではあった。

「雨だったらどうするつもりだったんだろうな」

「そうだよね、風次第だもんね!」


“ご希望通り春一番が吹くわよ”


どこまで確証があったのか…相変わらず暁先輩の考えてることはわからないな。

てゆーか暁先輩のピアノだけで十分盛り上がったのに、そこに桜吹雪を足しちゃうって自己プロデュース力がハンパない。

私たち凡人には思い付かない世界だな。

………。

今頭の中で花絵先輩の「暁が異常なのよ」ってツッコミが聞こえたけど。

はぁっと、息を吐きながら教室に戻った。