野木暁生徒会長
2年1組出席番号17番
身長172センチ(推定)
「…しか情報がない」
お昼休み、購買で買って来たメロンパンをかじりながらため息が出た。
「何の話してるの?」
私の前の席、本当は凛空ちゃんの席だけどこの時間はちょっとだけ借りてる。
同じように購買で買って来たクリームパンをかじる近澤寧々は高校入って2番目に出来た友達、150センチしかないちっちゃい感が可愛い。
「んー、野木会長のこと。人気だって言われてるわりに情報なくって」
「えっ由夢、野木会長に興味あるの?」
「こなだいの就任式カッコよかったじゃん」
「由夢はあーゆうのがタイプなんだ」
「ちょっと気になるってだけだよ、ちょっとだけ!」
ぱくっとクリームパンにかぶりつく寧々は微塵も興味なさそうだった。
「でもあの人彼女いるって噂じゃん」
「そうなの!?」
「知らないの?」
「寧々、野木会長に興味あったの?」
「全くないよ」
食い気味で返って来た返事にやっぱり興味なかったことを実感した。
一緒に買ってきた紙パックのオレンジジュースをストローで吸う私の顔をチラッと見た。
「でも有名だよ、生徒副会長になった藤代花絵先輩と付き合ってるって」
「………。」
つい野木会長のことで頭がいっぱいだったけど、あのあと副会長も挨拶してた。
ハキハキと話す声が印象的で、確か黒髪のロングヘアー…ぐらいしか覚えてないけど。
「1ミリたりとも笑わない、通称“鉄の女”って言われてる」
「何その異名!」
「実際誰も笑ったところ見たことないんだよ」
「なんか…すごい人だね…」
藤代花絵先輩、それれが野木会長の彼女…なんだ。
もう一度メロンパンをかじった寧々が今度はじっと私の方を見た。
「ショック受けた?」
「ぜ、全然そんなことないよ!」
「じゃあよかった」
ニコッと小悪魔的に微笑んだ寧々に見透かされたのかと思った。
いや、本当に全然そんなことないけど。ちょっと気になってただけだもん。まだ…、違うもん。
紙パックのオレンジジュースを一気に飲み干した。
「あ、そうだ。今日私部活になっちゃったの、一緒に帰れなくなちゃったごめんね」
「いいよいいよ、新体操部のエースだもんね」
「1年でエースって呼ばれるのもプレッシャーだよ」
「みんな寧々に期待してるんだよ」
2年1組出席番号17番
身長172センチ(推定)
「…しか情報がない」
お昼休み、購買で買って来たメロンパンをかじりながらため息が出た。
「何の話してるの?」
私の前の席、本当は凛空ちゃんの席だけどこの時間はちょっとだけ借りてる。
同じように購買で買って来たクリームパンをかじる近澤寧々は高校入って2番目に出来た友達、150センチしかないちっちゃい感が可愛い。
「んー、野木会長のこと。人気だって言われてるわりに情報なくって」
「えっ由夢、野木会長に興味あるの?」
「こなだいの就任式カッコよかったじゃん」
「由夢はあーゆうのがタイプなんだ」
「ちょっと気になるってだけだよ、ちょっとだけ!」
ぱくっとクリームパンにかぶりつく寧々は微塵も興味なさそうだった。
「でもあの人彼女いるって噂じゃん」
「そうなの!?」
「知らないの?」
「寧々、野木会長に興味あったの?」
「全くないよ」
食い気味で返って来た返事にやっぱり興味なかったことを実感した。
一緒に買ってきた紙パックのオレンジジュースをストローで吸う私の顔をチラッと見た。
「でも有名だよ、生徒副会長になった藤代花絵先輩と付き合ってるって」
「………。」
つい野木会長のことで頭がいっぱいだったけど、あのあと副会長も挨拶してた。
ハキハキと話す声が印象的で、確か黒髪のロングヘアー…ぐらいしか覚えてないけど。
「1ミリたりとも笑わない、通称“鉄の女”って言われてる」
「何その異名!」
「実際誰も笑ったところ見たことないんだよ」
「なんか…すごい人だね…」
藤代花絵先輩、それれが野木会長の彼女…なんだ。
もう一度メロンパンをかじった寧々が今度はじっと私の方を見た。
「ショック受けた?」
「ぜ、全然そんなことないよ!」
「じゃあよかった」
ニコッと小悪魔的に微笑んだ寧々に見透かされたのかと思った。
いや、本当に全然そんなことないけど。ちょっと気になってただけだもん。まだ…、違うもん。
紙パックのオレンジジュースを一気に飲み干した。
「あ、そうだ。今日私部活になっちゃったの、一緒に帰れなくなちゃったごめんね」
「いいよいいよ、新体操部のエースだもんね」
「1年でエースって呼ばれるのもプレッシャーだよ」
「みんな寧々に期待してるんだよ」



