お弁当争奪戦ジャンケンで欲しかったミートパスタを無事手に入れることができてルンルン気分で夕飯を終えた後、普段は先生しか使えないというシャワーを借りた。
学校にシャワーがあることなんて知らなかったし、それを使えるように説得してくれた暁先輩はさすが我が校の代表する生徒会長。
こんな時のために会長になったんだからねって笑ってた。
暁先輩は何でもできるんじゃないかって思った。
「由夢!」
生徒会室に戻る前、少し涼もうかと廊下の窓を開けて風に当たっていると同じようにシャワーから戻って来た凛空ちゃんがやって来た。学校のジャージとは違っておしゃれでカッコいいジャージを着ていた。
「ねぇ見て見て!!めっちゃみんな気になってる!」
見せて来たスマホを見ると、数時間前にTwitterで呟いていた匂わせに100近くのいいねが押されていた。中には詳しく教えてとリプも来ていた。
「すごっ!」
「ねー、これはわりと簡単に宣伝出来ちゃうかもなぁ」
「凛空ちゃんがそんな影響力のある人だとは思わなかった、すごいね」
「そう?俺は全然大したことないけど」
トントンッとスマホをいじる。
いや、十分大したことあると思うけど。
「すごいよ、凛空ちゃんは。青春リクエスションよりよっぽど彩ってるよ」
「…あんな行動力俺にはないけどね、あんなことしようなんて思わないもん」
開いた窓からひゅーっと風が入ってくる。
少し冷たい風が火照った体にちょうどいい。
「きっとほとんどの人ないよ。暁先輩だからだよ」
どんな瞬間青春リクエスションを始めようと思ったかはわからないけど、誰もやってないことをやろうとする暁先輩には魅力があって。
人はそれをカリスマ性とか呼ぶのかもしれないけど、本当に世界を変えれるぐらいの力があるんじゃないかって、本気で思ってた。
「確かにな~、犬てなづけた時はかっけぇと思っちゃたしなー」
「凛空ちゃんも苦手だもんね!」
くすくすと笑いながらあの日のことを思い出した。
間違いなくあれは私の世界が変わった日。
「…由夢ってさぁ」
「ん、何?」
そろそろみんなのところに戻ろうかと窓を閉めるため、手を掛けた。
「会長のこと好きなの?」
つい手を止めちゃった。凛空ちゃんにもそんな風に言われるとは思ってなくて。
「私ってそんなわかりやすい!?」
だからその返し方も最初から肯定した言い方になってしまった。言った後に顔を赤くしちゃった。
「……っ」
「やっぱそーなんだ」
「わかりやすいんだね…」
「わかりやすいっていうか…呟いてたしね」
凛空ちゃんがスマホに映し出した画面、生徒専用非公式アプリ“Speaks”での私のアカウント。
「デートしたい好きな人って会長のことでしょ?」
呟きに名前は書いてないし、特定もされなかったけど、私の勢い任せのこの流れを知ってるのは凛空ちゃんしかいない。
「……何も否定することはないです」
「由夢らしい呟きだと思ったし」
「…ね、後先考えてない感じね」
閉めようと思って途中になってしまった窓を凛空ちゃんが閉めた。
最後に隙間風がひゅうっと入り込む。
「由夢のそーゆうとこいいと思うし、俺は応援してるからさ!」
「凛空ちゃん…!」
カチッと鍵を掛けた。
外は真っ暗で、夜の学校は不思議な雰囲気が漂う。
「私友達だけは恵まれてると思うの!凛空ちゃんも最高の友達!」
「…うん、ありがと」
外を見ていた凛空ちゃんの表情はよくわからなかったけど、その言葉を勇気に変えようとしていた。これからの高校生活に。
「合宿俄然燃えてきたー!」
両手でガッツポーズして、気合入れちゃうぐらいに。
「そーいえば藤代先輩とは話せた?2人部屋でしょ?」
「………。」
「あ、まだ打ち解けてないんだ」
「だって鉄の女だよ!?何話したらいいかわからないよ~っ!」
「何でもいいんじゃない?弁当うまかったすねとか」
「私はコミュニケーションおばけの凛空ちゃんとは違うんだよ…!あ、凛空ちゃん趣味に女装ってない?」
「ないし、あったとしても一緒には寝られないよ!!」
学校にシャワーがあることなんて知らなかったし、それを使えるように説得してくれた暁先輩はさすが我が校の代表する生徒会長。
こんな時のために会長になったんだからねって笑ってた。
暁先輩は何でもできるんじゃないかって思った。
「由夢!」
生徒会室に戻る前、少し涼もうかと廊下の窓を開けて風に当たっていると同じようにシャワーから戻って来た凛空ちゃんがやって来た。学校のジャージとは違っておしゃれでカッコいいジャージを着ていた。
「ねぇ見て見て!!めっちゃみんな気になってる!」
見せて来たスマホを見ると、数時間前にTwitterで呟いていた匂わせに100近くのいいねが押されていた。中には詳しく教えてとリプも来ていた。
「すごっ!」
「ねー、これはわりと簡単に宣伝出来ちゃうかもなぁ」
「凛空ちゃんがそんな影響力のある人だとは思わなかった、すごいね」
「そう?俺は全然大したことないけど」
トントンッとスマホをいじる。
いや、十分大したことあると思うけど。
「すごいよ、凛空ちゃんは。青春リクエスションよりよっぽど彩ってるよ」
「…あんな行動力俺にはないけどね、あんなことしようなんて思わないもん」
開いた窓からひゅーっと風が入ってくる。
少し冷たい風が火照った体にちょうどいい。
「きっとほとんどの人ないよ。暁先輩だからだよ」
どんな瞬間青春リクエスションを始めようと思ったかはわからないけど、誰もやってないことをやろうとする暁先輩には魅力があって。
人はそれをカリスマ性とか呼ぶのかもしれないけど、本当に世界を変えれるぐらいの力があるんじゃないかって、本気で思ってた。
「確かにな~、犬てなづけた時はかっけぇと思っちゃたしなー」
「凛空ちゃんも苦手だもんね!」
くすくすと笑いながらあの日のことを思い出した。
間違いなくあれは私の世界が変わった日。
「…由夢ってさぁ」
「ん、何?」
そろそろみんなのところに戻ろうかと窓を閉めるため、手を掛けた。
「会長のこと好きなの?」
つい手を止めちゃった。凛空ちゃんにもそんな風に言われるとは思ってなくて。
「私ってそんなわかりやすい!?」
だからその返し方も最初から肯定した言い方になってしまった。言った後に顔を赤くしちゃった。
「……っ」
「やっぱそーなんだ」
「わかりやすいんだね…」
「わかりやすいっていうか…呟いてたしね」
凛空ちゃんがスマホに映し出した画面、生徒専用非公式アプリ“Speaks”での私のアカウント。
「デートしたい好きな人って会長のことでしょ?」
呟きに名前は書いてないし、特定もされなかったけど、私の勢い任せのこの流れを知ってるのは凛空ちゃんしかいない。
「……何も否定することはないです」
「由夢らしい呟きだと思ったし」
「…ね、後先考えてない感じね」
閉めようと思って途中になってしまった窓を凛空ちゃんが閉めた。
最後に隙間風がひゅうっと入り込む。
「由夢のそーゆうとこいいと思うし、俺は応援してるからさ!」
「凛空ちゃん…!」
カチッと鍵を掛けた。
外は真っ暗で、夜の学校は不思議な雰囲気が漂う。
「私友達だけは恵まれてると思うの!凛空ちゃんも最高の友達!」
「…うん、ありがと」
外を見ていた凛空ちゃんの表情はよくわからなかったけど、その言葉を勇気に変えようとしていた。これからの高校生活に。
「合宿俄然燃えてきたー!」
両手でガッツポーズして、気合入れちゃうぐらいに。
「そーいえば藤代先輩とは話せた?2人部屋でしょ?」
「………。」
「あ、まだ打ち解けてないんだ」
「だって鉄の女だよ!?何話したらいいかわからないよ~っ!」
「何でもいいんじゃない?弁当うまかったすねとか」
「私はコミュニケーションおばけの凛空ちゃんとは違うんだよ…!あ、凛空ちゃん趣味に女装ってない?」
「ないし、あったとしても一緒には寝られないよ!!」



