あれからつい気になって青春リクエスションのアカウントをフォローしてしまった。


フォロワーは私を含め4人。


運営をしてる暁先輩を覗いて、きっと藤代先輩、馬渕先輩、私…

あと1人誰がフォローしてるんだろ?

フォロワー一覧のアカウントを見てみた。


“@riku_arisueeeee”


絶対凛空ちゃんじゃん!!!

だいたい名前を隠す中、こんな堂々と名乗るタイプの人初めて見た!!!

…てゆーか凛空ちゃんもフォローしてたんだ。
そっか、凛空ちゃんも興味持ったのかな…。

「俺生徒会入ったんだよ」

「え!?そうなの!?」

何気なくフォローしたんだねって話を振ったら予想外の言葉が返って来た。
今から午後の授業が始まる少し前のこと、前の席の凛空ちゃんが振り返りながら話す。

「こないだちょっと手伝ったら会長に誘われてさ、青春リクエスションの方かなと思っておもしろそうだしいっか!と思ったら生徒会の方だった」

「それは…ちょっとあれだね、災難だね?」

「でもどっちも兼ねてるらしいから、生徒会の活動してる方が青春リクエスションの活動もしやすいって言うし」

それは確かに、学校のルールとかイベントごとは生徒会が仕切ってるし動きやすいんだろうなとは思うけど。

「もちろんこのことは内緒だけどね」

凛空ちゃんが右手の人差し指を立てて口元に持っていく。しーっという仕草を見せて私に口封じするみたいに。

「生徒会が青春リクエスションなことは秘密だよ」

「凛空ちゃん…」

「ん?」

「そもそもみんな青春リクエスション知らないと思う」

「そうなんだよな~!!!ちょっと今のやってみたかったの、なんか学校の秘密握ってるみたいでカッコいいと思っちゃったの!」

そうやってケラケラと笑う凛空ちゃんは楽しそうだった。

楽しそうで、少し羨ましく思った。


あの時感じたワクワクを、もう一度。


そう思うと心が疼いてしょうがない。

「あの…っ」

ここでチャイムが鳴った。
午後の授業が始まる。
私の声は遮られてしまった。