「きゃああ!」


悲鳴を上げたのは美聡だった。


美聡は虫を振り払うように顔の前で両手をバタバタさせている。


「なに? どうしたの?」


アズサは青ざめた顔で混乱している。


「今なにかが私の頬をなでた!」


「それって冷たい手か?」


実からの質問に美聡は動きを止め、そして頷く。


「直人とセナは?」


聞くと2人共同時に頷いた。


やっぱり、話を終えたメンバーにだけなにかが起こっているみたいだ。


頬を撫でられた4人は目をみかわし、そして黙り込んでしまった。


「よし、じゃあ次はオレの番だ。オレも早く何者かに触れられたりしてみたい」


おもちゃのナイフで刺されて悲鳴を上げていた和輝が手を挙げる。


これで、8つの怖い話のうち半分が終わった。


残り半分。


それが終わったとき、直人たちはどうなってしまうのだろう……。