「おまえ、メシのときくらいスマホいじるのやめろよ」

「はいはい」


なんて言いながらも、一向に画面を動かす指を止めない。

早打ち選手権があったら優勝しちゃうんじゃないの? って思う速さで打ち込まれる文字。すごいなーって見ていると、


「気になんの?」


ふ、と。
顔をあげるから、目と目が合う私と琉夏くん。


「いえ、べつに」


いたって真顔で首を振ると、


「ぶはっ。バッサリ斬られてやんの」

「埋めるぞ」


う、埋める!?

茶化した椿くんに不穏な言葉が舞う。


「おーこわ」


……みんな、元々仲良しじゃないのかな?

そうだよね。
それぞれ分野の違うトップの集団。

元々関わりのない人たちがいきなりルームシェアするわけだから、難しいこともあるか。


「ほら、寧々がビビってんだろ」