ふかふかな芝だったから、大して痛くなかったけれど。

ああ……なんて無様。

ふんだりけったりってこのことだ。


「はっ、お弁当っ!」


芝についている両手を見て、お弁当がないことに気づく。

どこに落とした!?

あわててキョロキョロ首を四方八方に動かした私の目に飛び込んできたのは。


「う、そ……」


宙に浮いてるお弁当箱。


「ひゃああっ!」


ひ、人!?

いや、正確には、伸ばした両手の中にすっぽり収まっていたのだ。……芝の上に寝っ転がっている男の子の手に。


「あのお……」


生きてるんだよね?

そろりそろりと近づいて声をかけると、するどい瞳がぎろっと動いて私を見た。