「その点、俺らはまあ部門1位ってことで、そこまで求められてないから気が楽だ
な」
と、小鳥遊くんが言えば、
「あまんまりノンキに構えすぎてんなよ。一応伝統あるエクセレントの名を汚さないようにな」
「わかってるよ。俺のことは琉夏でいいよ」
ジャラ、と。チェーンのピアスが耳元で揺れる。
私も苦笑いをしながら聞いた。
「る、琉夏くんは、芸術部門っていうことは、絵が得意……なんでしょうか」
「なんで敬語?」
「あっ……」
「俺だけ仲間外れ? 一緒に住む同志、そこは仲良くしてよ」
なんて言いながら、仲良くしてほしそうには微塵も思えないのですが……。
「そうそう、コイツに敬語とかいらないから」
椿くんはそういうけど、
「はいもう一回」
体育会のノリで突っ込まれ、仕方なく同じ質問をフレンドリーバージョンで繰り返す。



