秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~


緩やかに孤を描く口角。

な、なにをぶしつけに。

遠慮もなしにすごいことを言ってくる彼に、返す言葉が見つからない。

やっぱり、彼は苦手だっ……。


「琉夏ぁ、怖がってんじゃん。もっと優しく言わないと。琉夏みたいにチャラいの、寧々ちゃんには希少生物なんだろうし」

「バカにしてのかよ」


フンッを鼻を鳴らした彼と同じように、椅子を引っ張ってきたのは椿くん。

椿くんを見ると、少し安心する。


「それに、どんな手もこんな手もあるわけないだろ。彼女は昨日はじめてこの学園に来たんだから」

「ふーーーーん」


けれど、小鳥遊くんはどうだろって顔で私を見下ろしながら、足を組み変える。

なんとなく、表情や言葉の端々からトゲが見えて、胃がさらにキリキリ痛くなってくる。