周りの女子たちにも一気に攻めたてられ、私はおろおろ。
他のクラスメイト達も、不審そうな目を向けてくる。
琴宮さんの怒りのこもった目には、涙まで浮かんでる。
どうしようっ。
「ほらほら、何やってんだよー」
そこへ現れたのは、椿くん。
凍り付いた教室に、光が差し込む。
「椿くん、ローズが編入生ってどういうこと?」
「ねえ、なんで妃花じゃないの?」
一気に群がる女子たちを、まあまあと手でなだめるようにして、
「毎年、ローズの選出には公平性が欠けていると言われて続けていたみたいんだ」
椿くんが話し出すと、みんな耳をかたむける。
「先生に過度な贈り物をしたり、中には金銭授受もあるとか」
えー、とか、うそー、なんて声があがる。
「まあ……今年の2年生でそんなことをする人はいないだろうけど」