「一体、どういうこと? どうして私がローズじゃないのよっ」
教室に入って聞こえてきたのは、琴宮さんの叫び声。
それまで我慢していたのか、琴宮さんの口から一気に感情があふれ出す。
綺麗にまいた髪は、乱れてもうぐちゃぐちゃだ。
周りの女子たちはおろおろしてる。
私はいたたまれない気持ちで、背中を丸めながら自分の席に向かい、席に座ろうとすると。
「来栖さんって言ったかしら、あなたがローズってどういうこと?」
それを阻止したのは琴宮さん。
私の前で仁王立ちする。
「えっと……」
そう言われても、私がわかってないんだからどうしようもない。
「ねえ、あなた編入生でしょ? どうして編入生がいきなりローズになるの?」
「そうよ。今年のローズは妃花で確定だったはずなのに」