にこやかに問いかけてくる椿くんの言葉に、私は首を傾げた。
寧々ちゃんも。
“も”ってどういうこと?
まるで、自分たちもこの部屋に住むみたいな言い方。
ここでようやく刹那くんは、眉を寄せて険しい顔で口を開いた。
「おまえ……もしかして、ローズなのか?」
ローズ?
なんだろう、それ。
「マジで? てか誰この子」
そう言ったのは、尖った目をした妖艶な雰囲気のあるとても大人びた男の子。
赤い髪の隙間からのぞくのは、銀色のチェーンピアス。
口調もどこか投げやりで、椿くんとは違い怖さを感じて。
「じゃ、じゃあっ」
私は思いっきりドアノブを引いて、ドアを閉めた。



