「……雪って、何月だと思ってんだよ」
相変わらずぶっきらぼうな物言いをした白樺くんは。
「まあ、トップなら仕方ねえってことだよ」
カバンを放り投げながら、さらに顔が赤くなるようなことを言う。
「へー、アンタでも妥協とかするんだ」
「妥協じゃねえよ、本気でそう思ってる」
「お? 義理の兄弟の雪解けか?」
茶化すようなそれに白樺くんは答えないけど、案外そういうことなのかもしれない。
せっかく親戚になったんだから、仲良く出来たらいいなって私も思うから。
……ふたりとも。
私が何に迷って、何に悩んでるかちゃんとわかってくれていたんだ。
胸がいっぱいになる。
「てことだよ。何をこわがってんだよ。エクセレントのトップの彼女がなんだってんだよ」
そんな皮肉も、今の私には背中を押すだけ。
「俺らの気が変わらないうちにな」
白樺くんまで……。
わずかに眉を上げて、普段見せないような柔らかい表情を見せた。



