「それにしてもさあ、琴宮さんだって、欲深くなかったらローズになれてたかもしれないのにね」
「ほんとほんと、男の先生に色目使って推薦してもらおうとしてたの、かなりウワサになってたよ。結局、自分から大好きな一条くんともつき合うチャンスを逃したんだよ」
「ねー!」
あ……そっか。
もし、琴宮さんがローズになっていたら、刹那くんは琴宮さんとつき合ってたのかな?
ということは、刹那くんが私に告白してくれたのは、やっぱり私がローズだから……?
私がローズじゃなかったら、刹那くんは私を好きになってくれたのかな。
そんなことを考えながら、楽しそうにはしゃぐみんなの声をどこか上の空で聞いていた。