「……はあ?」


そんな言いがかりをつけられた刹那くんは、眉をひそめてソファから体を起こす。

すでに臨戦態勢だ。


「ひとりでカッコつけやがって」


見た目不良な白樺くんの言い放つさまは、本物の不良さんみたいで。

同じように、鋭く豹変する刹那くんの瞳。


「言うじゃねえか」


二つの鋭い目が絡み合う。

今日もまた、ばっちばちなんですけど……。


あとで佐藤さんたちに聞いた話によると、刹那くんは私を探し出すために小林さんを問い詰めたり、森の中へ来てくれた時は、ものすごく必死だったって。

意識がない私を抱き抱えて、救急車に一緒に乗り込んで。

聞いただけで想像できる刹那くんの行動。


「確かに。俺だって付き添いたかったのに、結局コイツに全部に持ってかれたしー」


琉夏くんも頭のうしろに手をやって、脱力しながら恨めしそうに刹那くんに目をやる。